双子ママ、今日も楽しい!

双子の2年生の女の子と4歳の男の子を育てています。

【読み聞かせ準備】「怖い話」読み聞かせイベントに向けて《怪談えほんシリーズ》を紹介!

2月12日に開催される「怖い話」の読み聞かせイベントに向けて、1月末に絵本シェア会を行いました。

 

今回の読み聞かせイベントは、例年とはちょっと違う企画。

普段の朝の読み聞かせは“ほっこり系”が中心ですが、「あえていつも読まない本」「ちょっと怖い本」にチャレンジしよう!というコンセプトで始まりました。

 

「怖い話」といっても、ただ怖がらせるだけではなく、読んだ後に考えさせられるようなメッセージ性のある絵本を選びたいよね、という話になり、

「鬼について」「地獄について」「怪談えほん」など、普段はあまり読まない絵本を紹介し合いました。

 

低学年の子どもたちもたくさん来てくれるイベントなので、高学年の子にも届くような深みのあるラインナップにしたいという想いもあります。

 

 

 

怪談えほんシリーズ

今回のシェア会で印象的だったのが、岩崎書店の怪談えほんシリーズ(東雅夫 編)の存在感。

www.iwasakishoten.co.jp

 

 

絵のタッチや怖さの質はそれぞれ異なりますが、どれも大人の私でも「家では読み聞かせたくないかも…」と思ってしまうほどのインパクト。

“本当に怖い”のに、どこか惹きつけられる不思議な魅力がありました。

 

ここでは、実際にシェア会で紹介された絵本に絞ってご紹介します。

 

 

悪い本

(作:宮部みゆき/絵:吉田尚令

「この本は、あなたにいちばん悪いことを教えてくれます」

そんな“悪い本”が語りかけてくる、ぞわっとするような一冊。

ページをめくるごとに「自分もこの本が欲しくなるかも」と思わされる、誘惑と恐怖が入り混じる物語です。

 

 

いるのいないの

(作:京極夏彦/絵:町田尚子)

「だれかが、そこに…いる?」

古い家の薄暗い階段に潜む“気配”を描いた絵本。

静かで淡々としているのに、心の奥にじわじわ染み込む恐怖が絶妙です。定番の一冊。

 

 

 

 

 おろしてください

(作:有栖川有栖/絵:市川友章)

迷い込んだのは、知らない駅と、奇妙な列車。

乗り込んだ少年の行き先は? 悪夢のような列車の旅がはじまる、現代怪談絵本です。

 

 

かがみのなか

(作:恩田陸/絵:樋口佳絵)

鏡をのぞくと、不思議な気配がする――。

誰もが身近にある「鏡」が題材だからこそ、現実との境界があいまいになる怖さが印象的。

日常に潜む“ひやり”を描いた作品です。

[rakuten:book:16939789:detail]

 

 

 

 

 

 

 くうきにんげん

(作:綾辻行人/絵:牧野千穂)

「くうきにんげんって、知ってる?」

姿が見えず、じわじわと“君”の存在を塗り替えてしまう。

人に気づかれない寂しさや疎外感が、恐怖として描かれる異色作です。

 

[rakuten:book:17558647:detail]

 

 

 いただきます。ごちそうさま。

(作:あさのあつこ/絵:加藤休ミ)

「食べるのがだいすき」という少年が、“食べる”ことを突き詰めていった先にあるのは…?

食欲と成長、そして人間の欲の暴走を描くような一冊。シュールで怖いです。

 

[rakuten:bookfan:12469614:detail]

 

 

 おめん

(作:夢枕獏/絵:辻川奈美)

「これをかぶれば、あいつをのろえるよ」

いじめ、嫉妬、コンプレックス――子どもの心の中にある闇を、強烈なビジュアルとともに描いた作品

ラストまで目が離せません。

「おめん」は、ただの怖いお話というだけでなく、深いメッセージを含んでいるように思いました。

おめんをかぶることで、普段は言えないことまで言えてしまう――それは、現代のサイバー犯罪にも通じるところがあると感じています。匿名性に守られることで、人は時に過激な言動をとってしまうものです。

そうした複雑な問題を真正面から説明するのは難しいけれど、絵本を通して「どうしてそんなことが起こるのか」を感覚的に考えてもらえるのではと期待しています。

実は、先日まで関わっていたサイバー防犯ボランティアのみんなにもこの絵本を紹介しましたし、来年度担当する司法・犯罪心理学の授業でも、導入として読んでみようと思っています。

 

[rakuten:book:20317477:detail]

 

 

 おわりに

怪談えほんシリーズは、大人でも背筋がゾッとするような内容が多く、「これは本当に子どもに読んでいいのだろうか…?」と一瞬ためらうほどの“怖さ”を持っています。でも一方で、絵はどれもとても美しく、幻想的なタッチのものも多いため、小さな子には物語の意味が伝わらず、逆にそれほど怖く感じないかもしれません。

シェア会の中でも「高学年の子どもたちだからこそ“怖さ”をしっかり感じ取れるんじゃないか」「あえてその年齢だからこそ楽しめる怖さを体験してもらうのもいいよね」という声もありました。

読み聞かせイベントでは、そうした“ちょっと怖いけど気になる”という気持ちを引き出せるような絵本を、子どもたちの様子を見ながら選んでいきたいと思います。