2月12日に開催される「怖い話」の読み聞かせイベントに向けて、1月末に絵本のシェア会を行いました。
前回の記事では、背筋がぞくっとするような「怪談えほん」シリーズを紹介しましたが、今回はもう少し“やさしいこわさ”のある絵本をまとめてご紹介します。
低学年の子たちでも楽しめる、だけどちょっとドキッとするような、そんな作品たちです。
京極夏彦の《妖怪えほん》シリーズ
京極夏彦さんが手がける「妖怪えほん」シリーズは、雰囲気のある絵と静かな語り口で、ぞわっとする余韻を残してくれる作品が揃っています。
『あずきとぎ』
作:京極夏彦/絵:町田尚子/編:東 雅夫
しょきしょきしょきしょき──へんな音がする。「ああ、それは“あずきとぎ”だ。おばけだよ。」
そんな静かな一言から始まる、絵本史上でも屈指の“静かな恐怖”。読む人の想像力を刺激する、不気味だけど美しい一冊です。
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『ことりぞ』
作:京極夏彦/絵:山科理絵/編:東 雅夫
仏壇のある部屋、古びたお堂、家と家の狭いすきま。どこかに“なにか”がいそうな気配──
「なにかいますか?」「なにもいません。」
淡々と進む語りと、不穏な気配がじわじわと迫ってくる絵が、読者の心を揺さぶります。
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杉山亮の《おばけ話絵本》シリーズ
「怖い話って苦手…」という方にもおすすめなのが、杉山亮さんの《おばけ話絵本》シリーズ。
キャッチコピーはなんと「夜、きちんと眠りにつけます」。
最後にはちゃんとホッとできるので、寝る前の読み聞かせにもぴったりです。
『ばけねこ』
作:杉山亮/絵:アンマサコ
大切な猫“タマ”にもう一度会いたくて、伝説の「ねこみみやま」へ向かった女の子。
霧に包まれて迷い込んだ先で出会った不思議なお屋敷とは…?
ばけねこの伝承をもとに、こわくて、ちょっとおかしくて、でも最後には心があたたかくなるお話です。語りのリズムが心地よく、読後感も抜群です。
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『のっぺらぼう』
作:杉山亮/絵:軽部武宏
昔話の定番“のっぺらぼう”を、鮮やかな絵とともに新たな視点で描いた一冊。
たきぎを取りに出かけた男の子が山で迷い、出会ったのは──顔のない“のっぺらぼう”。
逃げても逃げても、追いかけてくる“のっぺらぼう”たち。そして最後に待っていたのは……?
想像するだけで背筋がぞっとしますが、軽部さんのイラストが独特の雰囲気を加えていて、子どもたちの“ちょうどいい怖さ”を引き出してくれます。
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おわりに
こうして読んでみると、「怖い絵本」にもさまざまなタイプがあることに気づきます。
声のトーンや読むタイミングによって、子どもたちの受け取り方も違ってきますよね。
次回は、実際にイベントでどの本が読まれたのかも紹介できたらと思っています。