1月22日の5年生のクラスでは、私は《オニじゃないよ おにぎりだよ》と《あぶないばしょはどっち?》を読みました。
(※詳しくは別の記事にまとめていますので、よかったらご覧ください)
今回はその日、別のクラスで読まれていた絵本をご紹介します。
1月下旬ということで、節分にちなんだ“鬼”が登場する絵本や、5年生という高学年らしい「考えさせる」タイプの絵本が多く選ばれていました。
なかには低学年でも人気のある作品もあり、読み方やプログラム次第で高学年でも十分に楽しめると改めて感じました。
どなたでもどうぞ
(作・絵:サム・シャーランド/訳:ふくもとゆきこ/BL出版)
「どんなお客さんも大歓迎!」がモットーのホテルに、ある日“とまるところがない”とトラのエメットがやってきます。部屋がないなら…と、エルシーは自分の部屋を改造して受け入れることに。
しかし、他のお客さんたちはトラがいることに居心地の悪さを感じて次々と去ってしまいます。ところが――今度はエメットが、自分の知り合いをたくさん呼んでくれて……!
「どんな相手も受け入れること」や「思いやり」が自然と伝わる温かい物語。
優しさが循環するような、読後にじんわりと心が温まる絵本です。
どんなにきみがすきだかあててごらん
(作:サム・マクブラットニィ/絵:アニタ・ジェラーム/訳:小川仁央/評論社)
「きみがすき」――その気持ちをめいっぱい表現し合う、チビウサギとデカウサギの愛情たっぷりなお話。
背伸びをしたり、ジャンプをしたり、「好き」の大きさを身体で伝え合うやりとりが微笑ましく、言葉にする愛情のあたたかさがじんわりと広がります。
繰り返し読みたくなる、読み聞かせの定番の一冊です。
あおいアヒル
(作:リリア/訳:前田まゆみ/主婦の友社)
記憶を失っていくアヒルと、それをそっと支えるワニ。
認知症の家族と過ごす日々をモチーフにした、静かで美しい絵本です。
優しい時間の重なりと、役割が変わっていく親子の姿。世代を超えて繋がる家族の愛情を、あたたかいまなざしで描いています。
高学年ならではの理解と感受性でじっくり味わってもらいたい1冊です。
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カレー地獄旅行
(作:ひげラク商店 安楽雅志/パイ インターナショナル)
野菜を残そうとした主人公が、突然“カレー地獄”に吸い込まれ、閻魔様からさまざまな“食育”の罰を受けるというユニークな絵本。
ビジュアルのインパクトも抜群で、「激辛」「笑える」「ちょっと怖い」の三拍子が揃った異色の食育絵本。
食べ物を残さず食べる大切さを、コミカルに、でもしっかり伝えてくれます。
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鬼が出た
(作:大西廣/絵:梶山俊夫/福音館書店)
「鬼って、ほんとはどんな存在だったんだろう?」
節分の時期にぴったりな**“鬼の百科”のような一冊**です。
昔の図像や記録をもとに、鬼の本来の姿に迫る内容で、高学年向けの知識絵本としてもおすすめ。
「怖い」だけではない鬼の姿を、少し距離を置いて見つめることができます。
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おわりに
今回紹介した絵本たちは、季節感を大切にしつつ、高学年でも深く楽しめる要素を備えた作品ばかりでした。
5年生になると反応が控えめなこともありますが、それでも「面白い」と感じた時に思わずクスッと笑ったり、真剣に聞いてくれたりと、年齢に合わせた読み方や構成が大切なんだなと実感しました。
これからもその時々の雰囲気や季節、学年に合った絵本選びを楽しんでいきたいと思います!