今週のお題「コーヒー」。
10年ほど前、公務員の研究職として働いていた頃、上司がこんなことを言いました。
「コーヒーにこだわれないやつは出世しないよ。」
その時は、職場の誰もが「いやいや、公務員にコーヒーのこだわりは関係ないでしょ〜」と笑っていましたが、私はその言葉が妙に心に残りました。
というのも、大学院時代、スーツが大好きな先輩にこう言われたことがあったからです。
「スーツの肩の1ミリの違いに気づけない人が、いい研究なんてできないよ。」
つまり、「小さな違いに気づける人」は、仕事においても繊細な配慮ができる――上司も先輩も、言いたかったことは同じだったんだなと、腑に落ちたのです。
夫の唯一の趣味、それがコーヒー
今年で結婚10年になる夫は、周囲から見ても「仲良し夫婦だね」と言ってもらえる存在です。
夫は特別な趣味もなく、お金のかかることも特にありません。
そんな夫の、唯一と言っていい趣味が「コーヒー」。
給料が今の半分くらいだった時代から、いわゆる“スペシャルティコーヒー”を愛飲していました。
スペシャルティコーヒーってなに?
普通のコーヒーと比べて、スペシャルティコーヒーは「苦いだけ」ではありません。
リンゴのような甘み、チョコレートのような香り、花のような風味など、さまざまな味わいや香りを楽しめる、とても飲みやすいコーヒーなんです。
我が家では、このスペシャルティコーヒーをカフェインレスで楽しむことも多く、子どもたち(新2年生&年少さん)も、カフェオレとして少し飲むくらい、大ファンです(笑)
子どもたちにはこう説明しています。
「スペシャルティコーヒーっていうのはね、育てる場所や作り方がていねいで、香りや味がとってもよくて、飲んだ人が“おいしい!”って思う特別なコーヒーだよ。」
コーヒーと出世の関係?
スペシャルティコーヒーは、正直ちょっとお高めです。
何度も「高すぎない?」と思ったこともあります。
でも、例の上司の言葉が頭に浮かびます。
「コーヒーにこだわれないやつは出世しない。」
そうだ、これは先行投資なんだ。
「今は節約。でも、出世したら報われるはず!」
そんな思いで、PD(ポスドク)生活の5年間を乗り切りました。
そして夫は…
大学教員というポストに無事就いた夫。
もちろん、それは彼自身の努力の賜物だと思っています。
でもね…私はちょっと思っているんです。
「毎日、高い(笑)スペシャルティコーヒーをちゃんと飲ませていた私のおかげかも?」って(笑)
もしかして…うちの子たちも?
毎日、美味しいコーヒーの香りの中で育っている我が子たち。
彼らもまた、出世してしまうかもしれません(笑)
こだわりのある暮らしが、未来につながると信じて。
今日もおいしいコーヒーを、家族で楽しんでいます。