おはようございます!
ゆきちゃんママです!
今日は、統計の基礎として、母集団と標本について解説します。
統計の話をしていると、
「母集団」
「標本」
「母数」
「標本調査」
「全数調査」
といった言葉が出てきます。
最初は少し難しく感じるかもしれません。
でも、考え方そのものはとてもシンプルです。
全部を調べるのが難しいときに、一部を調べて全体を考える。
これが、推測統計の基本です。
今日は、内閣支持率調査や心理学の調査を例にしながら、母集団と標本の考え方を整理していきます。
- 推測統計とは?
- 母集団と標本
- 全数調査と標本調査
- 心理学研究で考える母集団と標本
- 標本の取り方が偏るとどうなる?
- 単純無作為抽出とは?
- うつ病の人数を知りたい場合
- 母数とは?
- 全員を調べればよいけれど……
- だから標本調査を行う
- この例で整理すると
- おわりに

推測統計とは?
まず、推測統計とは何かを確認しておきます。
推測統計とは、統計的な手法を使って、一部のデータから全体について推測することです。
たとえば、内閣支持率調査を考えてみましょう。
本当に知りたいのは、
「日本国民全体のうち、どのくらいの人が内閣を支持しているのか」
ということです。
でも、日本全国民すべてに電話をして、
「内閣を支持していますか?」
と確認するのは、現実的にはとても難しいですよね。
時間もかかりますし、お金もかかります。
そこで、一部の人に調査を行い、その結果から国民全体の支持率を推測します。
視聴率調査も同じです。
日本中のすべての人が、どのテレビ番組を見ているのかを直接調べることはできません。
そこで、一部の家庭や人を対象にして、そこから全体の視聴傾向を推測します。
つまり、推測統計とは、
全部を調べることが難しいときに、一部を調べて全体を考える方法
だと言えます。
ここで重要になるのが、母集団と標本という考え方です。
母集団と標本
調査で本当に関心のある対象全体のことを、母集団と呼びます。
たとえば、内閣支持率の例であれば、本当に知りたいのは日本全国民の支持率です。
したがって、この場合の母集団は、日本全国民です。
ただし、日本全国民すべてを調査するのは難しいので、その中から一部の人を選んで調査します。
この、母集団の一部であり、実際に調査や実験の対象となる集団を、標本と呼びます。
整理すると、こうです。
母集団:本当に知りたい対象全体
標本:実際に調べる一部のデータ
推測統計では、この標本から得られたデータを使って、母集団について推測します。
ここを混同しないことが大切です。
調査で実際にデータを取っているのは、あくまで標本です。
でも、本当に知りたいのは、その背後にある母集団です。
全数調査と標本調査
次に、全数調査と標本調査について整理します。
母集団のすべての人を対象にした調査を、全数調査といいます。
たとえば、ある学校の全学生にアンケートを取る場合や、ある会社の全社員を対象に調査を行う場合は、全数調査です。
このとき、母集団の人数は大文字の N で表します。
一方、母集団の一部の人だけを対象にした調査を、標本調査といいます。
たとえば、日本全国民の中から一部の人を選んで、内閣支持率を調べる場合は、標本調査です。
このとき、標本の人数は小文字の n で表します。
ここは記号としても重要です。
N:母集団の人数
n:標本の人数
今後、統計の式や表を読むときにもよく出てくるので、区別して覚えておくとよいです。
今日のポイントを簡単に言うと、
全部を調べるなら全数調査
一部を調べるなら標本調査
です。
そして、
知りたい対象全体が母集団
実際に調べた一部が標本
です。
心理学研究で考える母集団と標本
心理学の調査や実験でも、母集団と標本の考え方はとても大切です。
たとえば、大学生200人を対象に、うつ傾向に関する調査を実施したとします。
このとき、実際に調査に参加してくれたのは大学生200人です。
したがって、この200人が標本です。
一方で、この研究で本当に知りたい対象が、
「大学生全体のうつ傾向」
だとすれば、母集団は大学生全体になります。
つまり、200人のデータをもとに、大学生全体について考えようとしているわけです。
もうひとつ例を見てみましょう。
30人の抑うつ患者を対象に、新しい心理療法を実施し、その効果を検証する場合です。
この場合、実際に研究に参加した30人の抑うつ患者が標本です。
そして、その結果をもとに考えたい対象、つまり母集団は、抑うつ患者全体になります。
ここで大事なのは、研究で得られた結果は、まずはその標本に対する結果だということです。
そこから母集団全体にどこまで一般化できるのかを考えるのが、推測統計の役割です。
標本の取り方が偏るとどうなる?
次に、標本の取り方について考えます。
たとえば、ある政党の支持率を高く見せたいとします。
そのために、その政党の支持率が高そうな地域だけで調査を行ったとしましょう。
この場合、得られた結果は、当然その政党に有利な方向に偏りやすくなります。
つまり、調査結果が、母集団全体の実態を正しく反映しない可能性が高くなります。
これは、偏った標本を使っているからです。
標本調査では、一部の人しか調べません。
だからこそ、その一部の人が、母集団全体をできるだけよく代表している必要があります。
最初から都合のよい人だけ、都合のよい地域だけを選んでしまうと、どれだけ丁寧に平均や割合を計算しても、結果は偏ったものになってしまいます。
統計では、計算そのものだけでなく、
どのようにデータを集めたのか
が非常に重要です。
単純無作為抽出とは?
では、より望ましい調査方法はどのようなものでしょうか。
たとえば、全国民の中からランダムに選ばれた1000人を対象に調査を行うとします。
ここで大事なのは、全国民という母集団から、できるだけ偏りが入らないように標本を選ぶという点です。
このように、母集団の中のそれぞれの人が、同じような確率で選ばれるように標本を取り出す方法を、単純無作為抽出といいます。
簡単に言えば、くじ引きのように選ぶ方法です。
もちろん、ランダムに選んだからといって、標本が母集団と完全に同じになるわけではありません。
たまたま若い人が多く選ばれることもあるでしょう。
たまたま高齢の人が多く選ばれることもあるでしょう。
しかし、調査する人が意図的に都合のよい人だけを選ぶよりは、母集団を代表しやすくなります。
推測統計では、標本から母集団を推測します。
そのためには、標本ができるだけ母集団を代表するように選ばれていることが重要です。
うつ病の人数を知りたい場合
ここからは、具体的な調査の例を使って、母集団・標本・母数の関係を確認していきます。
たとえば、私たちが、
うつ病を持っている人が、全国にどの程度いるのかを知りたい
とします。
このとき、本当に知りたい対象は、日本全国の人々です。
つまり、この例での母集団は、全国の人たちです。
ただし、全国にいる一人ひとりについて、うつ病であるかどうかをすべて確認するのは、かなり難しいです。
でも、知りたいのは、
「全国全体では、うつ病を持っている人がどのくらいいるのか」
という値です。
ここで出てくるのが、母数です。
母数とは?
実際には、
「うつ病の人は全国に〇〇人いる」
あるいは、
「全国のうち〇〇%の人がうつ病である」
という本当の値は存在するはずです。
このような、母集団における本当の値のことを、母数と呼びます。
ここでは、全国全体の中で、うつ病を持っている人が何人いるのか、あるいは何%いるのかという値が母数にあたります。
大事なのは、母数は「本当は存在している」ということです。
ただし、それを私たちが正確に知っているとは限りません。
全国のすべての人を調べなければ、その本当の値はわかりません。
つまり、母数という唯一の答えはあるけれど、実際には簡単には観察できない、ということです。
全員を調べればよいけれど……
では、全国の人たち全員に確認を取ればよいのでしょうか。
理屈の上では、全国民すべてを調べれば、母数を知ることができます。
これが、先ほど出てきた全数調査です。
しかし、現実にはとても大変です。
膨大な時間がかかります。
膨大なお金もかかります。
調査員の数も必要です。
回答してもらうための手続きも必要です。
国勢調査のような大規模調査では、非常に多くの費用がかかります。
つまり、全員を調べれば正確な値に近づけますが、そのためには大きなコストが必要になります。
心理学の研究や一般的な社会調査では、毎回このような全数調査を行うことはほとんどできません。
だから標本調査を行う
そこで、現実的には、母集団全体を直接調べるのではなく、母集団の一部を選んで調査します。
これが、標本調査です。
このとき重要なのが、できるだけ偏りが少ないように標本を選ぶことです。
たとえば、全国のうつ病の人数や割合を知りたいのに、特定の地域の人だけ、特定の年代の人だけ、特定の職業の人だけを調べてしまうと、結果が偏る可能性があります。
そのため、少しでも偏りを減らすために、無作為抽出などの方法を使って、母集団をできるだけ代表するような標本を選びます。
もちろん、標本調査では、母数そのものを完全に正確に知ることはできません。
しかし、労力とコストを抑えながら、
「およそこのぐらいだろう」
という推測を行うことができます。
これが推測統計の基本的な考え方です。
この例で整理すると
うつ病の人数や割合を知りたいという例で整理すると、次のようになります。
母集団:全国の人たち全体
母数:全国の人たちの中で、うつ病を持っている人が実際にどのくらいいるのかという本当の値
標本:実際に調査する一部の人たち
そして、その標本から計算した値を使って、母数を推測します。
つまり、推測統計とは、
全部を調べることが難しいときに、一部のデータから全体の値を推測する方法
です。
ただし、その推測がどのくらい信用できるかは、標本の取り方に大きく左右されます。
そのため、統計では計算だけでなく、どのようにデータを集めたかも非常に重要になります。
おわりに
今日は、母集団と標本について解説しました。
統計では、全部を調べられる場合もありますが、多くの場合、全部を調べることはできません。
だからこそ、一部のデータ、つまり標本を使って、母集団について考えます。
今日のポイントは、次の通りです。
母集団は、本当に知りたい対象全体。
標本は、実際に調べる一部のデータ。
母数は、母集団における本当の値。
推測統計では、標本から母数を推測する。
そして、その推測が信頼できるものになるかどうかは、標本の取り方に大きく関わります。
どれだけ難しい計算をしても、最初に集めたデータが偏っていれば、結果も偏ってしまいます。
統計では、計算だけでなく、データの集め方も大切です。
ここを押さえておくと、ニュースの世論調査や心理学研究の結果も、かなり読みやすくなると思います。