今日までに、脳波の分析に必要なツール「EEGLAB」のダウンロードや初期設定について紹介してきました。
そろそろ、具体的にどうやってEEGLABで分析を進めていくのかをまとめたいところですが、その前に——
まずは、脳波分析の大まかな流れを整理しておきたいと思います。
もちろん、脳波をどう分析したいかによって手順は異なりますが、私は事象関連電位(ERP)の波形を出すことを目指しているので、今回は「収録した背景脳波(EEG)からERP波形を取り出すまで」の流れをざっくりご紹介します。
脳波分析の大まかなステップ
1. MATLABのインストール
(※これはすでに完了!)
2. EEGLABのダウンロード
3. MATLABでEEGLABを開けるように設定
4. 脳波ファイルの作成
脳波計によっては、そのままEEGLABに取り込めるデータ形式のものもありますが、
私の使っている機器は、もともとローデータの出力ができないタイプ。
業者さんにお願いして、特別にローデータを出力できるようにしてもらいました。
ただ、そのままではEEGLABに読み込めない形式だったので、専門家の方々に相談して、EEGLABに読み込める形に編集しました。
(※このパートは該当しない方も多いかもしれません)
5. イベントファイルの作成
刺激提示ソフトによって出力形式が異なりますが、
私の場合、イベント情報をEEGLAB用に変換する必要がありました。
この手順も、不要な方も多いと思いますが、参考までに簡単にご紹介します。
6. 脳波ファイルとイベントファイルの読み込み
作成したファイルをEEGLABに読み込む作業です。
EEGLABはすべて英語表記なので一見むずかしそうに見えますが、
操作自体はとってもシンプルなのでご安心を。
※有名な脳波計をお使いの場合は、専用プラグインで自動的に読み込めることもあります。
7. フィルタリング
環境ノイズなどを取り除き、分析をより正確にするためのステップです。
8. 電極位置の登録
私は測定部位が少ないので登録せずとも動きましたが、
未登録だと先に進めないケースもあるので要チェックです。
9. エポッキング(epoching)
刺激提示の前後何秒間のデータを分析対象とするかを指定して、脳波をそのタイミングで区切ります。
10. エポックのリジェクション(除外)
まばたきや体の動きなどによって乱れたエポック(データの区間)を除外します。
11. 加算平均処理(Averaging)
同じ刺激が提示されたときのエポックを重ねて平均化することで、
共通する脳の反応=ERPを取り出していきます。
最後に
こうして並べてみると手順が多く感じるかもしれませんが、
1つ1つの作業は意外とシンプルです。
私は、今回紹介した内容の多くを、詳しい友人たちに教えてもらいながら少しずつ学んできました。
加えて、以下の書籍もとても参考にしています。
私が勉強に使っている本
専門的な内容を丁寧に解説してくれていて、初心者でも読みやすくて、とってもおすすめです。